抜けてしまう乳歯に治療は必要?
こんな疑問を一度は持たれたことのある方は少なくないでしょう。
ここでは、乳歯を大切にする意味、適切な生え変わり時期の重要性、永久歯に及ぼす影響などを考えていきましょう。
基本1 乳歯の大きな役割
  • ものを噛む(咀嚼 そしゃく)
  • 正しい発音を助ける
  • あごの発育を助ける
  • 永久歯のガイド役
基本2 もし乳歯が虫歯になったり、早く抜けてしまうと・・・
  • ものがよく噛めないために十分な咀嚼が出来ず、消化不良や栄養不足を起こす
  • 偏食によって栄養バランスが崩れ子供の健康な成長を妨げる。
  • 右側もしくは左側ばかりで噛むようになり、あごの偏った成長を促し、顔形に歪みをもたらす。
  • 乳歯の歯並びが乱れ、永久歯が正しい位置に生えてこない、もしくは生える場所がなくなる。
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  • サ行やTHなど正しい発音ができないために、からかわれたり、発言を控えるなど精神的ダメージを受ける。
  • 痛みによる心身の苦痛により勉強やスポーツなど集中力うを欠く。
基本3 乳歯を守る
もともと乳歯はエナメル質が柔らかく、永久歯より虫歯になりやすいのです。さらに、歯の中に占める神経の割合が大きいため、虫歯になるとあっという間に神経に達してしまいます。乳歯は大切!乳歯のための特別な神経治療によって歯を保存することができますが、この時点で歯の寿命は短くなり、結局生え変わり時期より早く抜かなくてはいけないこともあります。また乳歯の炎症は、その下で成長している永久歯へダメージを与えかねません。
可愛いわが子がこのような目に合わないためには、ご両親がお子さんの毎日の歯磨きを習慣化させること、毎日続けることが大切です。虫歯にならないこと、虫歯になったらすぐ治療すること、これが一番です。
食生活もとても重要で、ダラダラ食べは厳禁です。三食とおやつの時間を決めて、きちんと守りましょう。また6ヶ月毎に歯科医で検診と歯のお掃除、フッ素塗布などの予防処置を受けましょう。
永久歯を守る
最初に生える永久歯は6歳臼歯と呼ばれ、一番奥の乳歯のさらに奥から生えてきます。さらに6歳臼歯は生えながら尚も成長を続けています。これは、生え始めの永久歯のエナメル質はまだ完全な強さに形成されていないことを意味します。
乳歯に隠れて発見されにくい、しかもまだ弱いため、とても虫歯になり易い状態と言えます。もし虫歯だらけの乳歯の中に生えてくることになれば、この6歳臼歯も生えた途端に虫歯になってしまいます。他の永久歯も同様です。

 

子供の歯の治療

子供の歯の治療は、子供の心理や行動に対する理解と、ご両親、歯科医、スタッフの努力と協力があって初めて成功します。怖がったり、治療を嫌がる子供に治療をするのは大変な仕事です。

子供が歯科医を怖がる理由は次のようなものがあります。
  1. 家族が歯の治療に対して否定的な態度を持っていたり、歯の治療で嫌な経験がある。
  2. 兄弟や友達から不必要に「歯医者は怖い」などという話を聞いている。
  3. 過去に病院で痛い思いをした。
  4. 過去の歯科医の処置が適当でなかった(脅す、怒鳴る、麻酔を使わず治療した、麻酔が効いてないうちに治療した等)。
  5. 過去に医師からぶたれるなどの仕打ちを受けた。

治療の妨げとなる行動(口を開こうとしない、治療台でバタバタするなど)を防ぐにはいくつかの方法があります。Tell-Show-Do(鏡で口の中を見せながら話しかけ、子供に治療に参加しているような気にさせる)、Positive Enforcement(言うことを聞いたら盛んに褒める)、Control with Voice(言葉で言って聞かせる)など、子供の自主性に訴える方法がその代表です。

日本歯科グループでは、30年以上にわたって、経験豊富な歯科医とスタッフが子供の治療にあたっています。他院で満足に治療を受けなかったお子様が当院で初めて治療に成功したという例は数え切れません。 どんなお子様でも忍耐強くきちんと指導し治療すれば必要以上に歯科医を怖がったり、嫌がったりしなくなるものです。経験豊富な日本歯科グループに安心してあなたのお子様をお連れ下さい。

子供のサイン
子供の言動に注意しよう!
子供は歯がしみたり、痛みがあっても、お菓子が食べたいとか、歯医者に行きたくないために隠そうとすることがあります。頻繁に頬を触ったり、押したり、冷たいものを喜ばないなど些細な変化を見逃さないであげて下さい。そのためには、ご両親が常日頃から歯磨きを手伝い、口腔内を観察することが一番です。
虫歯が大きくなってからでは、大変な思いをするのはお子さん自身であることを忘れないで下さい。
これからママになる方へ
自分の歯を守ることは、赤ちゃんの健康を守ることを意味します。
妊娠前に必ず虫歯・歯周病の検診を受け、治療が必要であれば受けて下さい。 妊娠中はホルモンのバランスが崩れ、歯周病になりやすくなります。また虫歯で痛みが起これば、栄養バランスが崩れがちになります。
子供の永久歯の成り立ちは、胎児として母親のお腹の中にいる時から始まります。ですから妊娠中の栄養バランスは歯質の形成に大きく関わっており、とても大切です。
妊娠中でも安定期に入れば安全に治療を受けられますが、できる治療範囲に限界があるのも事実です。 産後も育児で忙しく、なかなか自分の歯のケアまで手が回らず、突然の腫れや激痛のために当院に駆け込んで来られる方も少なくありません。
このようなことにならないためにも、日頃からの歯のお手入れを心掛けて下さい。家族に虫歯がないこと、健康であること、これらは赤ちゃんの健康と歯を守ります。
赤ちゃんの歯を守る
赤ちゃんは自分の歯を守ることができません。ですから、大切なお子さんが痛い目に合うのも、虫歯だらけの人生を歩むのも、すべてはご両親にかかっていることを忘れないで下さい。
  1. 母乳や粉乳には、赤ちゃんの健康な発育に必要不可欠な“糖分”が含まれています。ですから、授乳後は、お水で湿らせたガーゼでお口の中全体を優しく丁寧に拭き、お水を飲ませて、口腔内から糖分を取り除きましょう。
    お口の中をいじる時は、歌を歌いながら楽しい雰囲気で、まるで遊びの一部のようにしたり、またはこのガーゼ拭きが子守唄代わりになれば大成功です。こうして生まれた時からお口の中を触られることに慣れておくと、その後の歯磨き習慣も比較的容易に導入できます。
  2. 授乳したまま寝かしつける習慣をつけないようにしましょう。歯が生えてきてからも、この習慣を続ければ、あっという間に乳歯が虫歯だらけになってしまいます。
  3. 乳歯が生え揃ったら早速歯科医で検診と予防措置を受けましょう。もちろん、それ以前に異常を発見したらすぐに歯科医に連れて行ってください。